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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

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不定詞vs動名詞

名詞的用法も実はやっぱり「矢印つき動詞」

不定詞は【 to +動詞の原形】という形のものを指します。to のビジュアルなイメージを言うとすれば、それは、「矢印」です。…と、副詞的用法の解説のところで言いましたが、
名詞用法や形容詞用法においても、それは原則としては同じなのです。

でももちろん、名詞用法では、不定詞は「~すること」という意味だ、と習いましたよね。それはその通りです。

高校などの教科書では
To speak English is fun. (英語を話すのは楽しい)という文が本来で(つまり「To spoak」が「話すこと」という名詞として扱われる)、でもそれでは頭でっかちで不安定なので、itで代用して
It is fun to speak English.
↑_____|
とする、などと説明されています。

でも私は疑っています。後者の文の方が先なのでは? 「それって楽しいんだよ! なにがって? 英語を話すことさ!」てな気分の文だったのではないでしょうか。だからto speakはあくまで、itがあってこそ、その参照先を矢印で示すという形を取っているのです。それでいつのまにか to+動詞は「~すること」という名詞の役割を持つ、ということになったと。
まあ、でもそれはどっちでもいいことです。

Speakという動詞にtoという「持ち手」がついて、持ち運び自由になった(本来の動詞の位置に限定されない)と思ってもいいです。
…っていうか、そういうのはすべて面倒くさいので一切忘れて
「to+動詞」=「~すること」(名詞的に使う)
と覚えればいいです。ま、振り出しに戻りましたね。


でも、「持ち手がついてどこにでも持ち運べる」というのは、日本語の、「てにをは」があれば文のどこに持ってきてもOKというのに似てきます。だから(なのか)日本人は比較的
It is ~ to….
という構文は得意みたいですね。

動名詞との使い分け

「名詞」的に使える、ということで、動名詞と似たように使えることが多いですが、基本的には違います。動名詞は本当に「名詞」なのですが(ルーツが動詞であったとしても)、不定詞は動詞の性格を色濃くもっています。
矢印+動詞、ですからね。

いちばんわかりやすい(ややこしいけど)のはrememberの場合でしょうか。
(1) I remembered to lock the door. 私はドアに鍵をかけるのを思い出した。
(2) I remembered locking the door.  私はドアに鍵をかけたことを覚えている。

I remembered to lock the door.の場合は、「思い出して、それから、ロックした」のです。
Remember lock the door

動名詞のlocking にはそういう矢印のキモチはありません。だから、主動詞の「思い出した」時点より前のことを扱えるのです。forgetも同じですね。忘れちゃったからロックしないんですけども。

tryという動詞も見てみましょう。
(1) I tried to eat natto. 私は納豆を食べようとした
(2) I tried eating natto.    私は納豆を食べてみた

(1)は I tried eat natto. ですから、努力して、納豆を食べることに「向かった」のです。それに対し、(2)は、とりあえず食べてみたわけです。(1)の場合は実際に食べたかどうかこの時点では不明(というかどっちでもいい)ですが、(2)なら確実に食べています。

「同じ形のものは根本的には同じもの」というのが原則です。動名詞は、進行形で使う形と同じ形ですね。それは現在分詞と呼ばれますが、名前はどうでもいいのです。同じカタチのものには同じキモチがあります。進行形と同じで、~ingの形には、「(いま)やっている」というイメージがあります。たとえ過去のことを言うのであっても、その時点で「やっている様子」を思い起こしているのです。

stopという動詞について、「目的語として」繋がるのは動名詞だけです。だって、「これからやること」をstopすることはできませんからね。私は禁煙した、なら、
I stopped smoking.
です。でも
I stop to smoke.
という文も可能です。でもこれは
I stopped smoke.  ですから、実は、
「私はたばこを吸うために立ち止まった=立ち止まって、タバコを吸った」
という意味になるのです。

enjoyも、「これからやること」をenjoyするのではなく、「やっていること」あるいは「やっている様子を思い起こせること」を楽しむので、動名詞のみが繋がります。

これが基本イメージです。
ですが、基本イメージを漠然とでもいいので頭に入れてから、改めて例文を、「口に出して」覚えて下さい。口に覚えさせて下さい。何度も言いますが
基本イメージの把握←→例文の暗記練習
を何度も行ったり来たりすることで、イメージの体感ができ、そしてそれが自分のものとなって応用できるようになるのです。

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